店長の紹介BLOG ブログ

池袋に2015年9月にオープンしたビアパブ「NONSUCH」。英国スタイルのリアルエールとUKロックミュージックがコンセプト。リアルエールのハンドポンプが4機設置され、ここでしか飲めないビールもお楽しみいただけます。

姉妹店エールハウスで10年、そしてレコード店でも勤務経験を持ち、ロンドンにも2回の視察でパブ事情やU.K.ロックへの造形も深い店長と、フレンドリーなスタッフがオフ・ビートな雰囲気でお待ちしています。

店名の「NONSUCH」は、英国のロックバンド「XTC」の同名アルバムタイトルからとったもの。店内ではローリング・ストーンズ、XTC、Tレックス、スティング、スミス、オアシスなどの有名バンドからマニアックなサウンドまで、店長のセレクトしたミュージックが楽しめます。

Fish & Chips ~欲望と背徳感のむせかえる香り~

ノンサッチの看板メニューは「フィッシュ&チップス」!!!

写真のレギュラーサイズは一人では食べきれないボリュームです。
(たまに屈強な外人さんが一人レギュラーひと皿ぺろっと食べてます…)

fishandchips

オープン当初のレシピから地味~にマイナーチェンジを重ね
今のレシピに落ち着きました。

…というか、その前にフィッシュ&チップスって、知ってました??
ビアレストランとか行くと大抵あるんですけど
だいたい「まずいイギリス料理」の代名詞的な存在(泣)

どデカイ魚のフライが油で重く、追い打ちをかけるかのごとく盛られた芋、イモ、いも…
さらにタルタルソースで濃厚な味をプラス!
「魚は肉に比べて油が少ないし、ポテトは野菜だからヘルシーな料理だよ♪」と、
留学時代にルームメイトのアイルランド人が得意げに話していたのを思い出します(笑)

そんな、「イマイチ」なイメージがつく料理なのですが
私(ニシザキ)はとても好きな料理です!
恐らく思い出補正もありますが留学時代の思い出の味。

大学2年の時アイルランドのLimerick というところにいたのですが
普段は大学の寮にいたので、夜遅くまで飲んだり遊んだりできるのは
週末、街に出たとき。
(ちなみに、大学構内にもパブがあって
昼間から普通にビールが飲めるのは驚きでした!
またこの話は別の機会に…)

街にでるにはバスしか手段はないのですが、
最終のバスの時間がやたら早く、いつも酔っ払ってそろそろ帰るか!
という頃にはとっくにバスはない時間でした。
大抵なにも食べずに飲んでるので、「お腹すいた~」となって
途中でフィッシュ&チップスをテイクアウトして
むしゃむしゃしながら1時間半かけて歩いて寮まで戻るんです。若かったなぁ(笑)

袋もお皿もなく、ただ新聞紙に包まれたのを無愛想に渡されて
屋台に置いてあるモルトビネガーをバシャバシャかけて
新聞紙から油とビネガーが染み出して、手がギトギトになってるんですけど
酔っ払ってるからあんま気にならない(笑)

「飲んだ後の超濃厚家系ラーメン」的な感じで食べてました。
そんな思い出の味。
(結局、おいしい料理というわけではないのですが…)

donkeyfordslimerick

←こちらは、同じ街の別の有名店に行った人の写真を拝借!

こんな感じでただ包まれて渡される。。
パッと見、
とてもおいしそうとは思えないシロモノ。。

でも、揚げたてを食べれば衣はサクっ!
おさかなはふわ~ってしてて
ポテトもホクホク♪♪

 

ノンサッチのフィッシュ&チップスは
できるだけ本場の味に近いものを出そう!という店長の考えもあり
ノンサッチオープン前にロンドンで店長が一人
フィッシュ&チップスを食べ歩いて研究を重ねました!

fish&chipsビールのハーフグラスと比べると、その大きさがよく分かりますね!

 

fish&chipsタルタルソースと一緒にグリンピースがついてくるのもスタンダード

fish&chipstakeaway山盛りポテトでフィッシュが隠れてます(笑)

fish&chipstakeaway看板のCODもHaddockもタラのことです。(厳密にいうとそれぞれ種類の違うタラ科の魚。)フィッシュ&チップスでよく使われる白身魚です。

fullersfish&chips撮影アングルまちがえちゃってる感じもしますが、これは空港のフラーズ直営店で。 (これだけ一人で食べたら、ある意味、店長にとっても思い出の味。。)


話は変わって。

2016年の11月に、とある企画でフィッシュ&チップスの
マスタークラスを受講するチャンスがあり
店長と二人で行ってきました!(だいぶ前の話。。)

フィッシュ&チップスマスタークラス先生はイギリスNo.1 フィッシュ&チップスの栄光に輝いたお店「The Bay」のCalum Richardsonさん!(写真右から2番目)

とても優しそうな笑顔ですが、フィッシュ&チップスの賞だけではなくて
経営者としても個人で受賞していたり講演会に呼ばれたり
次世代の料理人を育成するためのコースやチャリティーイベントを企画したり…
どえらい働き者!

なんとなく「日本人が世界一勤勉!」みたいなイメージありますよね?
ですが、このクラスを受講しての一番の感想は、

「イギリス人でもまじめに働いてる人いるんだなぁ~」でした(失礼…!)

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まじめだけでなく、ジョークも交えつつ楽しい雰囲気のなか
すごいスピードで作業していくその手際のよさ!
やっぱ一流は違うなぁ!と思ったのでした。

5C815BB0-17E1-4382-9B3A-FAA58A0A136Aこれはクラス前に新宿伊勢丹で行われた「英国展」で出店されていた際に食べた「The Bay」のフィッシュ&チップス♪

フィッシュ&チップスって、ただ衣つけて油に入れるだけでしょ?
て思われてるかもしれません。ま、実際にはそうです(笑)
レシピに書き起こすと、そうなっちゃうんです。

が、

・魚の扱い方
・衣の細かい粉の配分や温度
・衣を混ぜるときの注意点
・油の温度・油への入れ方
・揚がった時の音
・たくさん注文が入った際のオペレーションの注意点

他にもポテトやタルタルソースのポイントなど山ほど勉強になるところがありました。
全部を取り入れることは難しいけど、
これまでのレシピが更においしくなるような点は参考に取り入れて
ノンサッチのフィッシュ&チップスのレシピが完成しました!
タルタルソースも全部手作り。
グリンピースもガーリックと一緒にじっくり炒めてお出ししてます。
意外と時間と手間かけてます。

そして食べるときにモルトビネガーをバシャバシャかけると
なんとも言えない「うっ」ってむせかえる香り…笑
でもそれがそのうち癖になってくるから不思議です。

普段「オレは飲むときは食べないからさぁ~~」という、そこのアナタ!
一回でいいので深夜に食べるフィッシュ&チップス後の背徳感、味わってみてください!笑