店長の紹介BLOG ブログ

池袋に2015年9月にオープンしたビアパブ「NONSUCH」。英国スタイルのリアルエールとUKロックミュージックがコンセプト。リアルエールのハンドポンプが4機設置され、ここでしか飲めないビールもお楽しみいただけます。

姉妹店エールハウスで10年、そしてレコード店でも勤務経験を持ち、ロンドンにも2回の視察でパブ事情やU.K.ロックへの造形も深い店長と、フレンドリーなスタッフがオフ・ビートな雰囲気でお待ちしています。

店名の「NONSUCH」は、英国のロックバンド「XTC」の同名アルバムタイトルからとったもの。店内ではローリング・ストーンズ、XTC、Tレックス、スティング、スミス、オアシスなどの有名バンドからマニアックなサウンドまで、店長のセレクトしたミュージックが楽しめます。

僕のビートルズ

僕の好きなものの一つに
ロックミュージックがあります。
僕にとってロックミュージックとは
自由で気持ちが揺れ動くものです。
だから、よく音楽ジャンル分けされてしまうけど、テクノやジャズ、ソウル、クラシック、環境音楽だって、ロックと感じれば
ロックミュージックになるんです。
僕にとっては。

で、
まず、ロックミュージックと言えば
ビートルズになってしまいますし、
やはりちょっとビートルズの話をさせて頂きます。

数あるロックミュージックの中でも
ビートルズはポップ性を兼ね備えてたと思います。
たとえば、子供でも歌えるような(オブラディオブラダとか)曲もありましたし、
激しい演奏の中にもポップな部分が
散りばめられていました。
だから、老若男女時代を越えて
お茶の間にも適応できたのでしょう。
僕の育った家庭にもビートルズはやってきました。
ヤァ!ヤァ!ヤァ!と。

それは、僕が中学一年生の頃、
兄が高校の英語の授業教材として
「Let it be」を歌わなくてはならないとかで、
隣の部屋で曲を何度も流してました。
多分それが僕とビートルズとの出会いでした。
隣の部屋から繰り返し流れてくる
「Let it be」を
「いい曲だなあ」って単純に思って
どんな人たちなんだろう?と思って
兄が持ってた「Let it be」の歌詞のプリントを見たら、そこにアルバムジャケットも白黒プリントされていて、印刷が濃かったのか、
四人顔が真っ黒になってて、
「なんか、怖い。」
って思ったのを覚えてます。

その後、
僕はビートルズというアーティストの
アルバムを年代とかよくわからずに
適当に近くのレンタルCD屋で
借りてはテープにダビングして
コレクションし始めました。
同時にいろいろなバンドのアルバムもレンタルして(スコーピオンズとか、デッドオアアライブとか)テープにダビングしてましたが、
僕の中でビートルズは多分いいやつだから
ビートルズだけは、TDKのハイポジション
テープ(ちょっと高い深緑色のやつ)にダビングしました。

「アビーロード」というアルバムを
借りた時がありました。
聴き終わった感想は、
「アビーロードって、シンセサイザーだけの
アルバムなんだぁ~」
全編シンセサイザーでした。
間違えて借りてしまいました。
「アビーロード」のオリジナルアルバムではなく、
「アビーロード」丸々1枚シンセサイザーアレンジの変なアルバムを手にとってしまってました。
でも、そのシンセサイザー盤でも
「Carry that weight」
は輝いて聴こえて、
多分僕がロックミュージックで初めて覚えたカタルシスはそれだったに違いありません。

あと、今でも鮮明に覚えていることがあって、
「マジカルミステリーツアー」と
「パストマスターズvol.1」
を一緒に借りた時のこと。
「マジカルミステリーツアー」の
「ハローグッバイ」を聴いた時、
「なんだ!このいい曲は!なんだ!」と感じて
ビートルズ…ヤバイっ!てなって
「パストマスターズ」をCDデッキに入れてダビングしながら、一曲目から聞き始めたくらいに
母ちゃんが下の階から
「ごはんよぉ~」って
号令が出たにも関わらず、
聴くのをやめられなくて
15分くらいずっと聴いてて、
「I’ll get you」終わったくらいで
部屋の電気を消して、下に降りようとした時に
「抱きしめたい」が流れ出しました。
でもやっぱり聴くのをやめられなくて
真っ暗な部屋の中でそのままサビを聴き
「ビートルズ…やっぱりヤバイっ!」
ってなって、
ただただ曲が終わるまで
呆然と立ち尽くしていました。
あの真っ暗な部屋での少しの時間、
暗闇の中で、CDコンポの
デジタル時間表示の青緑の明かり
がものすごく綺麗に光っていたのを
僕は今でも忘れません。

そして、
多分、その時くらいから、
みんなのビートルズは
僕のものにもなりました。

おわり。

IMG_20160621_163243