XTCとESB

「XTC」というイギリスのバンドは
ビアパブNONSUCHを語る上で外せないワードのひとつです。
(NONSUCHはXTCの10枚目のアルバム名)
それと、
「ESB」というイギリスのフラーズ社のビールもNONSUCHを語る上で外せないワードのひとつです。

XTCとESB。

共通項はアルファベット3文字とイギリス。
果たしてそれだけだろうか?….

フラーズ社のESBは「Extra Special Bitter」(Sがstrongと紹介されることもある)。
まず、「Bitter=ビター」というものが
ある。これは、ご存知のとおり「苦い」という意味。でも、実はそれほど苦くありません。元々は今から400年程前にイギリスのバートンオントレントという場所で作られた
「ペールエール」というスタイルのビールからの派生スタイルです。ペールエールと比べるとホップのほんのりした苦味があるために
「ビター」と呼ばれるようになったとか。
多分、パブで「あのー、あれ、ほら、あの
苦いやつちょーだい!」みたいなノリで
「ビター」ってついたんだと思います。
分かりやすく言うなら
日本でお水のことを
「お冷や」って言うみたいな感じかなあ。
実際「お冷や」もそんな冷たくなくても
「お冷や」だし。
そう、だってビールってみんな基本ホップが入ってる以上は「苦い=ビター」だし。「ビター」という名前をまんま真に受けたら「あれ?」ってなりますんで。
で、イギリスのパブでその「ビター」は
大体アルコール度3.2%~4.8%が主流で
それより高いアルコール度のもの
(因みにロンドンのフラーズESBは5.5%-日本のは5.9%-)は
「Extra Special Bitter=ESB」と言われる訳です。

このフラーズESBは
モルトのしっかりした甘味とホップのキリっとした苦味、どちらも強く主張しつつ、しっかりバランスよくまとまりどちらも美味しく味わえます。ビールの原料は麦芽とホップ、まさにその通りの味わいがあり、エール特有のフルーティさも際立ちまったりした飲み心地と少し高いアルコール度数で程よい酔いを感じられます。
後味にはググ~っとした粘り強い苦味と弱い渋みが残り、
ゆっくりチビチビ飲んでいると
時間の経過に伴い、温度も変わりそれにより
味わいの変化も楽しめます。
そして、グラスが空になるとまた更に
もう1杯!とゆっくりとくだらなくも愛しいお喋りをしながら、ずっと飲み続けられるようなビールです。
アメリカンクラフトビールの美味しさ、楽しみ方とは
また、ひと味もふた味も赴きが異なる
唯一無二のものなの と、ここまでは
「ESB」の話でした。

あれ?
「XTC」は?どこ行っちゃったの?

安心してください
ちゃんと繋げます(笑)。

そう、
「XTC」と「ESB」は
似ているんです。

どこがどう似ているのか?

まず、
XTCは「Extra Special」なんです。
では、何の「Extra Special」なのか?
それは
「Pop」です。
「Extra Special Pop」=「ESP」です。
じゃあ、そもそも「Pop」ってなに?
って話しですが、それがなかなか難しくて
まあ、一般的にいうなら
「わかりやすく、大衆寄りのもの=Popular」ってことですが。
その、popをxtcはExtra Special=特別なものに昇華しているんです。
「Twist=ねじれ、ひねくれ」というスパイスを使って。
そして、「This is pop!!」と叫んでいました。

XTCの楽曲は基本的にメロディアスです。
ビートルズの影響もあり、覚えやすいメロディが主体にあります。でも、そのメロディの
配置やバックトラックの演奏、使用してる和音(=コード)、コード展開、コーラスが
どこか変なんです。
これが「ねじれ、ひねくれ」のスパイスです。

このスパイスがあることによって
ただのメロディがいいポップソングとは
違う、何回でも聴いても飽きない、
何杯飲んでも飽きないスペシャルなものに
なっているんです。

そして
XTCは時間の経過に伴い
味わいの変化も楽しめます。

ここで言う時間の経過は
もの凄く長く、ビール1杯を飲み進める時間とは単位が違います。
何十年単位です(笑)

XTCは1976年から活動していて
今も、一応、ボーカル、ギター、作曲作詞のアンディ・パートリッジが一人のメンバーとして残ってはいます。旧作復刻リリースはあるもののXTC名義の新しい活動はほぼしてません。

このバンドの長い歴史で時代により
メンバーが代わったり、プロデューサーを代えたり、変名バンドを作ったり、と
様変わりをしてきました。
初期はパンク/ニューウェーブ
中期にはダブも取り入れ、
難解なギターアンサンブルをかまし
内省的なアコースティックサウンドを披露すれば、60年代サイケポップをオマージュし、さらに、アフリカン、エスニックなきらびやかなサウンドも取り入れ、しまいには
アンビエント、現代音楽までポップとして
料理してしまった。

しかし、どの時代の楽曲を聴いても
それぞれの時代の味わいがあり、
それは、ベースにある普遍的なメロディ
(フラーズESBで言うならば
僕はフラーズのビール酵母だと思います)
がしっかりとあり、おまけにちょっとシニカルな歌詞がまた深みを与えています。
(アルバム「NONSUCH」収録の「The Disappointed」という曲では物凄く爽やかな曲調なのに歌詞は失望、挫折を歌ったり)

あと、
フラーズESBは
日本向けはちょっとアルコール度数が
高くなってますと上記しました。
同じく、XTCのアルバム日本盤にも
ボーナストラック入ってて、
値段がちょっと高くなってます(笑)

というわけで、
まさに
ExtraでSpecialな
XTCとESBでした。

おわり。

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2016年10月24日 月曜日